記録に残らぬ物語 その日の最後の物語…
「ヴァレンティヌスの恋人達Extra Stage」
夜が来た!夜は来た!甘くて熱いひと時を!
<双子・夜編>
夜、空気の入れ替えをしながら机に向かっていた蒼星石。
そういえば、と日曜に水銀燈にもらった瓶…チョコレートリキュールを取り出す。
蒼(チョコレートのほうは何とか渡すことが出来たけど…これ、どうしよう)
日曜日に、翠星石に送るチョコレートを水銀燈と一緒に探した後、
『がんばってね♪』というメモ書きと共に渡された物である。
彼女は、一体コレで何をどう頑張れというのやら…
ともかく、案の定処分法に困った蒼星石。
飲んでしまうというのが一番手っ取り早くはあるものの、
未成年であるし、酒を飲んだことなんて、正月のおとそや、甘酒くらいしかない。
同い年でもコレを渡した水銀燈は、好物が酒だと言うくらいには飲んでいるらしいけれど、
比較的真面目な蒼星石はそういうわけにも行かなかった。
蒼(…だからって水銀燈が言ってたみたいに翠星石に飲ませるわけにも行かないし…)
蒼星石の頭の中に、あの時の彼女のセリフがリフレインする。
(銀「プレゼントして翠星石を酔っ払わせて、いただきます、とかいいかもしれないわよぉ?」)
カッと頭に上った血を冷ますようにぶんぶんと首を振る。
そりゃあ、確かに風邪を引いてたあの日に、からかわれたのに怒った勢いでついつい「初めて」は
すでにやってしまったわけだけど。だけどあの後はまだ何もやってない。
それに酔っ払わせて…とかは個人的に卑怯な気がしてやっぱりそっちの線はダメ、と考える。
蒼(うーん…仕方が無い。僕がちょびっとずつ飲もう)
机に突っ伏して、結局そういう風に考えた蒼星石である。
予習復習も大体終わったし、今日一日はそれこそ色々ありすぎて疲れていたところだったので、
少し飲んでみよう、と思って立ち上がる。
1Fから小さめのマグカップをとって来て、開封した瓶から少し注いで見る。
普通にココアとかチョコレートドリンクのような外観だ。
なめてみる。
蒼(んー…甘くて普通に飲めそう、かなあ…)
一口飲んでみる。
蒼「う…」
(ちょっと喉にカーッときたけど…結構美味しいかも。でももう少し味が薄いほうが良いかな)
少し薄めよう、そう思って一番味の合いそうな牛乳を取りにいく。
急いで下に降りて、冷蔵庫から牛乳を出して上がってきたわけだが、
帰る途中で一瞬何か、全身がふわっとした感覚に包まれたような気がした。
蒼(うーん…今の感覚が酔っ払ってる、っていうのかな。)
初めての感覚に少し新鮮な気分になる。
酔っ払うということ自体が初めてなので最初どうなるのかと少し心配していたのだが、
特に何かひどく気持ち悪くなったりなどということも無く。
なので、気にせずリキュールが少し入っているマグに牛乳を注ぐ。
蒼(ああ、うん。このくらいが丁度いいや)
そして、一口、また一口と飲み始める。
蒼(コレ結構甘くて美味しいな…また疲れた日に飲んでみるのも良いかも。)
そんなことを考えながら、さらに一口。それで一杯目のマグが空になった。
蒼(結構美味しかった…水銀燈がお酒好き、っていうのもわかるかもなあ…)
一息つく。なんだか全身があったまった感じで、とても心地良い。
開けている窓から入ってくる風も、あまり冷たく感じない。
蒼(…もう一杯くらい、だいじょうぶ…だよね)
瓶に手を伸ばす。先ほどと同じようにカップに少し注ぐと、上から牛乳を足す。
混ぜるようにカップを揺らしてから、一口。
蒼(これだけ美味しいんだし…翠星石にも今度飲ませてあげようかな…)
コンコン
扉を叩く音がする。
蒼「ん?なぁに?」
翠「入るですよ。ちょっとわからないとこが…あれ?何を飲んでるんです?」
翠星石が部屋に入ってくる。手にはノート。勉強を聞きに来たのだろう。
蒼「え?ああ…なんだろ。」
翠「なんだろ…って。自分が飲んでるものもわからないですか?」
呆れた表情の翠星石は、一目見てわかる牛乳はさておき、机の上の見慣れない瓶を取り上げる。
翠「モ…?なんですか、これは。見た感じお酒の瓶みたいですけど…チョコレートリキュール…」
しばらく瓶を眺めて、やっと理解した。
翠「コレ、思いっきりお酒じゃないですか!蒼星石、そんなの飲んで大丈夫なのです!?」
あの真面目な蒼星石が、まさかお酒を飲んでるとは思わなかったのだ。
蒼「ああ、うん、大丈夫みたい。結構美味しいよ…?」
翠「ならいいですけど…」
頬の上気した蒼星石は微笑みながらのんきに答える。
そしてため息をつく翠星石に、手に持っていたマグを差し出した
蒼「折角だから飲んでみる?美味しいよ」
翠「うーん…」
多分酔っているのであろうと思われる蒼星石の様子に、少し躊躇する翠星石。
すると…
蒼「じゃあ、飲ませてあげるよ」
何がじゃあなのかは良くわからないが、キョトンとしている隙に口がふさがれた。
しかし、心の準備もしていない所に無理に流し込もうとした性か大半は唇からこぼれてしまう。
翠「げほっげほっ…いきなりなにするですかー!」
蒼「あはは、ごめん」
あまり悪びれた様子も無い蒼星石に、翠星石は確信した。
翠(…間違いなく酔ってるです……!)
蒼「パジャマよごれちゃったね…コレ、チョコレートと牛乳だから早く脱いだほうがいいかも」
翠「あー…もう、蒼星石ひどいです。着替えてくるですよ」
パジャマをつまんで汚れてしまった箇所をチェックした翠星石は、自室へと戻ろうとする。
しかし、出て行こうとする手を引っ張られて、すぐにその動きは止められてしまう。
蒼「でもさ。また汚れちゃうかもしれないし…飲んでから着替えよう?」
翠「さっきすぐ脱いだほうが良いって言ったじゃないですか…矛盾してるです!」
蒼「ああ、そっか…じゃあ、ここで脱いでから飲もうよ。そしたら矛盾じゃない」
思案顔をしてから、さり気に無茶な発言をする蒼星石に、翠星石が頭を抱える。
翠「矛盾じゃなくても、それじゃあもっとわけわからないじゃないですか!」
蒼「ううー…しょうがないなあ。じゃあ、脱いでから考えよう!」
がばっ
次の瞬間、パジャマの…ズボンがずり下ろされた。下着ごと。
翠「きゃああああああ!なんでそうなるですか!!」
蒼「あれ?ちがったかな〜」
翠「そもそも汚れてるのは上なのになんで下おろすですか!」
蒼「いや、上も最終的には脱がすんだけど、カーディガン着てるからこっちのほうが楽かなって…」
翠「そんな冷静な回答はいらんです!」
激昂する翠星石にあははっと笑う蒼星石。
翠「っていうか私全裸でそのお酒飲まないといけないですか!?」
蒼「あー、ほら、そこはそれ…ぶっちゃけ、そんな翠星石、僕が見たい」
翠「そんなことぶっちゃけなくてもいいですっ!」
どこまでもエキサイトする翠星石だったが、蒼星石には何処吹く風。
まったく気にせず立ち上がる。
蒼「そう怒らずに座って座って」
そして、トン、と軽く肩を押されてしまう。
とっさに足をつこうにも、ずり下ろされた下着とズボンで動かない。
翠星石は見事に後ろにひっくり返った。その先には、既に敷いてあった布団があり、
丁度布団にしりもちをつく格好になる。
翠「いたたたた…今度は何ですかぁ…」
蒼「ごめんごめん。じゃあ、今度こそ汚れてるほうの上脱がすから!」
翠「ちょ!どうしてそうなるですか!」
そのまま二人はもつれ合う。まとめて上を脱がそうとする蒼星石と、
そうされまいと服を押さえる翠星石。
蒼「仕方ないなあ翠星石は…」
翠「どっちがですか!この酔っ払い〜!」
そのうちに、蒼星石の手が服の中にもぐりこみ、妖しく動く。
翠「ひゃぁん!」
蒼「ここが弱いのはばっちりおぼえてるよ♪」
びくぅ、と翠星石が背中をそらせた隙に、とうとうパジャマの上とカーディガンがずり上げられて、
大きくは無いけれども形のよい胸があらわになった。
それを見て、翠星石を押さえつけながら、蒼星石の動きが止まる。
そして、ジーっと暫く眺めた後に、おもむろに
蒼「…手、上げようよ。上げないと脱がせない」
翠「だ、だから私は別に脱がされたくないって言ってるです!」
何も無かったかのようにまた脱がせようとする発言。
それに対して、まじまじと見られた性なのか、暴れた性なのか顔を赤くしながら答える翠星石。
蒼「じゃあ、脱がざるを得ないようにしよう」
翠「へ?」
机の上に手を伸ばす蒼星石。手にとったのは牛乳パック。
翠「そ、それはもしや…」
蒼「あ、うん。今からかけ」
ばっ!慌てて両手を挙げる翠星石。
蒼「…ちぇ」
蒼星石は、残念そうな表情で牛乳パックを横に置いた。
翠「布団を牛乳まみれにするつもりですかっ!」
蒼「ううん、純粋に翠星石にかけてみたかった」
冗談とも本気ともつかないことを言って笑いながら上を脱がしていく。
しかし、なぜか、服の首が頭を抜けた所でとめてしまう。
そしてまたジーっと眺める蒼星石。
蒼「ふむ」
翠「…これじゃ手が動かせねーですよ?どうやって飲めって言うですか…」
思考の読めない酔っ払い相手に、半ばやさぐれている翠星石である。
蒼「…全裸は撤回。このままで飲もう。半裸で」
翠「て…!それ、まだ全裸のほうが…むぐ」
赤くなって暴れる翠星石に、カップの中身をあらためて含んで口付ける蒼星石。
それとともに、甘くてのどの奥が熱くなるような液体が流し込まれる。
先ほどとはちがってある程度飲むことが出来たが、やはり口の端からこぼれてしまった。
翠「んぅ……ぷはっ」
蒼「どうかな。結構美味しいと思うんだけど」
翠「美味しいですケド…これ結構強いお酒じゃないですか!?」
蒼「そうかな…?」
口を離した蒼星石が、そのまま翠星石の口の周りをなめていく。
翠「ぅ…それじゃ犬みたいですよ蒼星石…」
蒼「もったいないし、それに布団あんまり汚したくないんでしょ?」
そういわれると何もいえない。体勢自体に何かすごく釈然としないものはあるが、素直になめさせる。
しばらくすると、だんだんなめる位置が下がってきた。
口から頬、頬から首筋へ…
翠「ぅゃ!そ、そんなところにもたれたですかぁ…?」
蒼「うん。それに、さっきたくさんこぼした分も綺麗にしないと。」
翠「そこまでしなくてもいいですぅ!」
しかし、翠星石の言葉は聞き入れられることはなく、
さらに首筋から胸元のあたりまでなめられていく。
そのさなか、蒼星石が体の位置を動かした時に服が偶然胸の先をかすめ、
翠星石から思わず甘い声が漏れた。
翠「…っぁ!」
蒼「ん?…もしかして気持ちよくなっちゃった?」
その声に気が付き、翠星石の体を丁寧になめていた蒼星石が顔を上げる。
翠「そ、そんなことは…!それに、そこまでは垂れてなかったはずです…」
蒼「あれ?そうだっけ…ココとか、ココとかにも垂れてた気がしたんだけど」
ココとか、の部分でそれぞれ胸の先とわき腹を蒼星石がつっつく。
そのたびに翠星石の体がびくっと反応した。
翠「…そ、そんなとこにたれてるわけないじゃないですかっ!はやく上からどくです!」
蒼「そっか、たれてなかったんだ。…それは残念。なら、こうすれば大丈夫」
どいた、と思って翠星石が安心した所で、蒼星石は近くにおいてあったカップに指を突っ込む。
翠「な、なにがだいじょうぶなんですかっ!」
蒼「えーっと…こんな感じ?」
そして、酒で濡れた指を、絵でも描いていくかのように翠星石の体に走らせた。
翠「ふあああっ!」
とたんに、電気でも走ったかのように翠星石の体が跳ねる。
そんな様子に満足、とでも言うかのように微笑んで、蒼星石は再び翠星石の体をなめ始める。
翠「…ふぁ…っ!そ、蒼星石のバカぁ…犬ぅ!」
酒で濡れた部分がアルコールの気化熱で冷えた所に、暖かい舌が走り、再び声がもれた。
普段だったら暴れていたかもしれないが、
今現在はなにぶん手も足も、脱ぎかけの服で動きが封じられている。
なので精一杯の不満を涙と言葉で表現するしかない。
蒼「あは…ごめんね。僕、犬だからわからないや…ちゅ」
翠「ぁぅぅ…」
そんな翠星石の涙を優しく舌でなめとる蒼星石。
蒼「うん。塩味がアクセント」
にっこり微笑む。楽しくてしょうがない、といった風情である。
そのまま、先ほどの続きに戻ってどんどんと下に降りて行く。
翠星石は、今はせめてもの抵抗とばかりに、できる限り変な声を出さないよう噛み殺しているのだが、
蒼星石のほうはそれを一向に気にした様子がない。
なめる位置がじわじわと下に降りて行く。胸の間をとおり腹をぬけ、ヘソを通り…
そして、茂みに到達しようという直前で、動きが止まる。
蒼「うん、大体綺麗になったかな」
翠「え…」
最後に、翠星石に酒を塗った自分の指をなめながら言う蒼星石。
さらに下までなめられる、と覚悟していた翠星石から気の抜けたような…
少し残念そうな響きの声が発せられる。
蒼「どうしたの?…ちょっと残念だった?」
にやり、と意地悪そうに笑う蒼星石。
翠「そ、そんなことはないですぅ!終わったんなら早くそこを…!」
蒼「そうかな?僕はてっきりもっと…こういうことをして欲しかったのかと」
言いながら、左の胸に手を這わせ、右の胸のてっぺんをぺろりとなめ上げる。
翠「っひゃ!ち、ちが、ちがうです…ぅあっ」
蒼「ほんとに?胸もこんなになってるし、こっちだってもう…ぐしょぐしょだよ?」
閉じている足の間に無理やり手を突っ込んで、確認するかのようにその周辺を触っていく。
翠「う〜…」
何もいえなくなる翠星石に、蒼星石はにっこり笑う。
蒼「じゃ、これ飲んだら続き、しようか」
そして、マグカップの残りをあおり、再び翠星石に口付けた。
夜は更ける 深く静かに夜は更ける…
ここから先は、大人の時間。子供はベッドで明日の夢を。
続きは深い闇の中。見たい子こちらにおいでなさい。
さてさてこの物語はここで終了。続きは観衆である皆様次第。
もしもその一つの可能性を形にしたいのであれば、いつでも私にお申し付けくださいませ。
それでは皆様、今宵はお話にお付き合いいただきまことにありがとうございました!
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