<エピローグ>
紅「まったくあなた達二人は…どうしてわざとそんな乱暴なことを…!」
雛「だからー。真紅の、ボディが…」
金「甘ぇぜ!かしら!」
雛「お留守だぜ!なの!」
金「がら空きだぜ!かしらー!」
紅「何を言ってるのだかさっぱりわからないのだわ!もう!!」

JUM「おはよー…真紅、朝から手振り回して何やってるんだ?」
紅「JUM!もう、本当に風邪は良いの?」
JUM「ああ。昨日も言ったけどもう大丈夫だって」
紅「ならいいのだけど…ああそう、めぐが…私とあなたによろしく、って。
  …水銀燈が、そう言ってたわ」
JUM「そっか…よかったな」
紅「ええ。ほんとに」
JUM「で…その本人はまたサボりか?」
紅「まったく、あの子は本当に不真面目なのだわ…はぁ」

雛(こそこそ)「いまのうちににげるなのー」
金(こそこそ)「まったく二人ともいつまでたってもらぶらぶかしら…」
紅「…そこの二人。逃げないで頂戴?」
雛・金「はい!!(なの!!・かしら〜!!)」

・・・

翠「ハッ!…あれ?確か翠星石はさっきまで教卓の上に立って…」
蒼「何いってるの翠星石。授業中にずっと寝てたんじゃない。起きてもちゃんと静かにしなきゃ」
翠「うぅ、おかしいですぅ〜…確か、もう二度と蒼星石に手出ししないようにベジータに引導を…」
蒼「はぁ…その気持ちは嬉しいけど…心配なんてしなくても、僕はずっと翠星石が一番だから…」
梅「おい、そこの二人うるさいぞ!…笹塚ぁ、廊下に立ってろ!」
笹「え」
べ(スパッツ…この単語に何か引っかかるものがある。スパッツ……!)

・・・

4年前のことから、昨日の事まで。
非常口から外に出た、今はまだ少し肌寒い林の中で。
私はそれらの経緯を大体のところ話し終わった。そして…

銀「最後にね、あなたと一緒の写真をとって送って、って言われたわぁ」
薔「写真…そういえば、一緒にとるのはじめて、かも」
銀「…そうねぇ。行事中に撮られた写真には一緒に写ってるのもあるけど、
  改めて一緒に撮るのははじめてかもねぇ」
薔「でも、今はカメラが無い…」
銀「今すぐとらなきゃいけないわけじゃないわぁ。
  それに、カメラでちゃんと撮るのも良いかもしれないけど…
  こういうのでも、良いんじゃない?」

携帯電話を取り出す。そしてカメラのレンズをこちらに向けて…

・・・

少し座席に押し付けられたような感があって、それもすぐに消える。
窓の外にはどんどん小さくなっていく街の姿。
きっと、この小さな箱庭のような風景のどこかに彼女もいるんだろう。
今は普通は授業中の時間だから、まさか本当にここから見えるなんて事は無いだろうけれど…
数年ぶりの日本。なんだかんだで帰るのも渋っていたから、本当に久しぶりになってしまったけれど、
来た甲斐はあった。本当にそう思う。
次に彼女に会うときには、今度こそ親友として、にっこり笑って会えるといいな。
彼女の好きな子も、私の恋人も一緒に…

・・・

ごー…という音に空を見上げると、空に小さく見えたのは、大きな鉄の鳥の姿。
今は枝と、芽吹く前の新芽くらいしかない木々の間から、飛行機が飛んでいくのがよく見えた。

薔「…飛行機」
銀「そうねえ…」

結局面倒になって、私達は2時間目もサボってしまった。
そうして、ここでこうして肩を寄せ合い空を見上げている。
正確に言えば、私が水銀燈によっかかっているのだけれど。

色々な話を聞いた。楽しかった話、辛かった話。
それを聞いた今、多少めぐさんをうらやましく思う気持ちはあるけれど…
でも、それに負けないくらい私も水銀燈と一緒にいようと思う。
水銀燈の一番になれるかどうかはわからないけれど、それでも、一緒に。

薔「水銀燈…大好き!」

いつもの台詞を私は言う。そのとき水銀燈は、いつもの呆れた表情ではなく…
確かににっこりと、微笑んでくれたのだ。

―終劇―


最終話
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